小さな灯りに心あずけて
太陽よりも少しだけ早起きした朝は、まだ薄暗い部屋に小さな灯りを燈すことから今日をはじめる。
まだ眠たげな体を内側から目覚めさせる一杯の白湯。
それを少しずつ体に流し込みながら、ふぅ、と安らかなため息をつく。
傍らには、ほんのり優しい香りを漂わせる、お気に入りのキャンドル。
ゆらゆらと揺れる小さな灯り、少しずつ溶けて艶を増す蝋、それを眺めていると、永遠ではない時を生きているという実感が湧いてくる。
忙しさの中で、つい忘れてしまう、“今の自分を大切にする”ということ。
穏やかなひとときは、忘れかけていた大切なことを思い出させてくれる。
秒針を追うのをやめて、少しずつかさを減らすキャンドルに、時の流れを感じる朝。
そうして始めた今日の私は、きっといつもよりも少しだけ前向きで、輝いている。